退職しようとしたら引き止められた。ベストな断り方とは?
「もうこんな職場は辞めてやる!」
そう思って上司に退職したい旨を伝えると、ほとんどの方が何らかの理由で「まだ続けてみないか?」「もうちょっと頑張ってみないか?」と引き止めにあっています。
実は「今月末で辞めます」と伝えて「はい、分かりました」という答えが直ぐに返ってくるというのは、かなり稀。
1カ月にも満たない勤務期間なら引き止めに遭遇するケースも少ないかもしれませんが、1年、3年、5年、10年と長い期間勤めている介護士の方の場合は、必ずと言っていいほど引き止めにあっているのです。
確かにその事業所で働かせていただいたご恩はあるかもしれませんが、退職の意思が固い以上、できるだけ穏便に退職したいはず。
そこで、退職の引き止めにはどのようなケースがあるのか?その実例や最適な断り方についてご紹介します。
退職時の引き止めの経験談【こんな風に引き止められました】
介護士が退職を考えた際、上司からどのような引き止めにあっているのでしょうか?
介護職というのは他の業種から見ると、離職率が高い業界なので、退職に関しての引き止めのノウハウというのはどこの事業所も持っています。
そして、退職しないように交渉してくる上司は本当に口が上手い。
あの手この手であなたを引き止めようとしてくるので、まずはどんな風に引き止めてくるのか?を想定して動く必要があります。
どんな言い回しで辞めないように引き留められているのでしょうか?実際にあった実例をご紹介します。
君にはリーダーを任せようと思っている
これは、ある程度の経験がある介護士の方で施設側が辞めてもらっては困る人材の場合、このように
「あなたが必要」「だから辞めないでほしい」
という事を伝えてくるのです。
責任ある立場の仕事を任されるというのは、言い換えれば”期待されている”という事なので、気持ちも揺らいでしまうかもしれませんが、その時の一瞬の感情に左右されずに、今までの状況から全体を見て冷静に判断する事が求められます。
賃金アップなどの待遇面の改善の提案
あなたが不満に感じている点はどこなのか?
それをヒアリングから判断し、上司が待遇の改善を提案してくるケースも多々あります。
改善される条件が魅力的なら気持ちも揺らぐとは思いますが、ただ、こういったケースの場合は「素直に待遇改善で引き止め交渉に応じる人」と「改善するなら何でもっと早くしてくれないの?」という意見が真っ二つに分かれるよです。
しっかりと一介護士の意見を汲み取ってくれる事業所なら続ける価値はあると思いますが、他の施設に目を向けるいい機会かもしれませんね。
前回起こしたミスを責められる
退職の引き止めというのは前向きな交渉ばかりではありません。
中には前回起こしたミスを指摘するなど、ある意味、脅迫まがいとも捉えられるような言い方をしてくる人もいるのです。
例えば「辞めるなら前に壊した機材を弁償しろ」と言われたなど、辞めさせないように、きつい言い方で迫ってくる人もいるのです。
あなたに非があるなら責任を取るべきだと思いますが、根拠の無い損害賠償などには一切応じる必要はありません。
こういった話し合いに真っ向から立ち向かおうとすると、専門的な知識が無ければ勝つのは難しいかもしれませんので、辞める時の理由は「家族などの身内の事情」で、できるだけ物事を荒立てないようにするのが大切です。
今まで面倒みてやったのにと恩着せがましい
最悪のパターンは退職の意思を伝えたら逆切れされることです。
「何も取り得が無いお前をせっかく採用してやったのに!」
などと、大声を張り上げて罵声を浴びせてくる輩もいるのです。
私も最初の特養を辞めた時は「散々、今まで世話してやったのに!」とかなりキレ口調で怒鳴られました。
いや・・そんな人間と働きたくないから辞めるんですけどね・・と思いましたが、そこは大人の対応でグッと堪えて辞めた記憶があります。
引き止められた時に円満に退職するためのベストな断り方は?
退職の引き止めには様々なパターンがあるという事はお分かりいただけたかと思いますが、あなたが引き止め交渉をされても、それでも退職の意志が揺るがないというなら、なるべく円満に職場をされるような辞め方が求められます。
どのくらいの期間働いたのかは分かりませんが、一応お世話になった職場なので、敬意を表し、なるべく物事を荒立てないように上司にお断りを入れなければなりません。
例えば、「せっかく面倒みてやたのに!」と罵声を浴びせられて、「は?そんなの関係ないし!」と売り言葉に買い言葉で返してしまう様では円満退職は望めません。
まずは、何を言われても辞める意志が固いということを伝え、何を言われても「すみませんが・・」と深く何度も頭を下げていれば、最後はあちらが折れて「仕方ない・・」と、理解してくれるはずです。
基本的に人間というのは深く頭を下げて謝っている人間をきつく叱れないという傾向にあるので、引き止めを上手く回避するには「もう、ここで働く意思はない」という気持ちをしっかり伝え、「申し訳ないですが・・」という謙虚な姿勢で臨むことが大切です。