現職に聞く!社会福祉士の業務内容と仕事の本音 | 介護職辞めたい人のお悩み相談室

現職に聞く!社会福祉士の業務内容と仕事の本音

087486「社会福祉士の資格を取って仕事に活かしたい!」という方も沢山いますが、実際にどんな仕事をしているのか?よく知らないことも多いですよね。

実際に社会福祉士として働いている方に日々の業務内容について話を聞いてきました。

社会福祉士とは?という基本的な部分から、社会福祉士の仕事に対する本音の部分もインタビューしてきたので、参考にしていただけると嬉しいです。

社会福祉士とは?

社会福祉士とは、精神的・身体的・経済的など、様々な要因により生活に支障をきたしている人から相談を受け、日常生活がスムーズに営めるように援助を行ったり、困っていることが解決できるように支えたりすることが主な仕事となり、そのための専門知識を持った資格保有者を指します。

社会福祉士の主な仕事内容は?

社会福祉士の日常業務について1つずつまとめています。

・面談

児童相談所であれば児童やその家庭。

高齢者や障害者施設なら利用者、病院なら患者など、各々ニーズのある人と面談を行い、どんな問題やニーズがあるのかを話します。

聞き取った情報から「どんな援助が必要か?」「どんなケアプランやサービスプランを作成したらいいのか?」を考えます。

面談は、施設利用者であれば施設内で行います。

利用者ではない相談者が社会福祉士のいる施設や事務所に来て行う場合や、社会福祉士が家庭訪問して行う場合があります。

・カウンセリング

面談ではニーズを明確にする必要がありますが、その面談での話し合いが困難な精神状態にある方には個別に「カウンセリング」を行うケースもあります。

社会福祉士だけでは不安な場合は精神科医やカウンセラーなど協力してもらいます。

・電話相談

面談まではいかないけれど、日常の困りごとを電話で相談される方がいる場合は話を聞き、すべきことがあればニーズに合わせ対処や調整を行います。

・関連機関へ連絡・調整

ニーズに合わせて、必要な援助を行う機関や施設、関係者への連絡や調整、依頼を行います。

医療的ニーズの必要な方であれば、病院に連絡して必要な対処を依頼します。

また、通院に付き添いが必要であれば、送迎の手配もします。

・書類作成

  • 利用者や患者の情報記録
  • 面談の記録
  • 会議報告書
  • サービスプラン書
  • 行政への提出書類
  • 病院への提出書類
  • 意見書
  • 代行で契約書類記入

などの書類作成を行います。

・会議

企業内の連絡会や報告会議などに参加し、情報共有を行います。

ケアカンファレンスという、利用者に対してケアプランを作成する際に、医療関係者、サービス事業者、利用者本人、家族などが集まり、どのような介護サービスを行うかを検討する会議に参加します。

「ケアカンファレンスを経て提供されたサービスが適切か?」

利用者の実際の事例を具体的に上げて関係者間で話し合うケースカンファレンスに参加し、サービスの見直しを行います。

・介護業務

高齢者や障害者の施設などで働いている場合には、介護人材が不足していることが多く、社会福祉士が直接的な援助を行うことがあります。

援助のスタイルはお手伝い程度もあれば、支援員という立場を兼務して行う場合もあります。

・後見人業務

社会福祉士が後見人として認められる事例が多くなってきています。

後見人になれば「財産管理」や「身上監護」などを行います。

また、年に1回~数回は家庭裁判所への状況報告する義務があります。

・トラブル解決/権利擁護

面談が長期的なケアのためにありますが、それ以外にも突発的なニーズに対応しなければならない場合もあります。

例えば、「家に柵をつけてほしい」と高齢者から相談を受ければ、改装業者へ連絡し打ち合わせに立ち会うことも。

利用者が外出時にバスに乗せてもらえなかったりすると、場合によっては差別事項や人権侵害であるので擁護活動を行います。

・講習会/研修会

他事業所へ行って利用者との関係づくりの方法やコツ、サービス改善のコンサルティングなどを行います。

地域住民へ理解を広めるための講座なども開きます。

また、資格取得やスキルアップのための研修を開いたり、社会福祉士自身のスキルアップのため、社会福祉士会や他主催の研修会にいきます。

・企画

地域住民と利用者が交流できるように、介護職員と協力してイベントを企画します。

グループ援助やコミュニティ援助の一環として行う場合もあります。

・スーパーバイズ

後輩の社会福祉士や同様の仕事をしている職員の悩みや葛藤を聞き、必要なことがあればアドバイスをします。

私自身も、先輩の社会福祉士や、スーパーバイザーの方に相談してアドバイスを貰ったりする時も結構あります。

社会福祉士は「利用者本位を目指す」という立場上、職場の理念や価値観と対立することもあり、役職的に立場が上の上司が行うよりは社会福祉士同士で行う方が良いケースが多いのです。

・コーディネート

仕事を手伝ってくれるボランティアが来れば、業務伝達やフォローアップを行います。

福祉実習の実習生や、見学者などにも、社会福祉士である私が対応すること多いです。

・社会福祉士の育成

職場内でも、外部でも社会福祉士後継者を育成します。

資格手当の拡充をはかったり、勉強会開催などを行います。

育成と同時に社会福祉士の認知度向上や、労働環境の改善をはかります。

社会福祉士の1日の仕事のスケジュールは?

1日の仕事の流れについてお聞きしました。

9:00出勤
配達物やメールのチェック
利用者の昨日の出来事把握
今日の様態確認
9:30電話相談の対応や、個別面談
12:00昼休憩
12:30食事介護業務
14:00他事業所にてケースカンファレンス
16:00カンファレンスを受けて、関係機関へ連絡
提出書類の作成
17:00面談記録
ケース記録記入
18:00帰宅送迎補助
退勤

基本的には午前中に個別面談や相談。

午後からは行政などとの打ち合わせや関係者との会議に出る事が多いです。

出勤は基本的に9時ですが、施設で宿泊している利用者に対応する場合は早く出勤する日もありますし、場合によっては在宅中に緊急連絡で携帯に相談が入ってくる時もあります。

残業は一日会議で外に出ていれば、戻ってきてから1~2時間ほど書類関連の仕事をする日もあります。

私の場合は介護業務を兼務しているので、面談中や相談業務の合間に食事や排せつ介助を行うのが日常になっています。

1日の仕事でやることは、相談を受けた事に対応する事が先決で、些細な生活の困りごとから、財産の管理など大きなことまでと、仕事内容は多岐に渡ります。

社会福祉士の給料や平均年収について

現職の社会福祉士が漏らす仕事の本音「ここが良い!」「ここが嫌!」

【社会福祉士の仕事をしてて「ここが嫌だな」と思うこと】
281227

  • 資格は名称独占であり、誰でもできると思われがち
  • 基本給が安い(※就業先による)
  • 電話対応で一日が終わる時もある
  • 関係者間で意見対立するときが多い
  • 職場の理念と対立するときがあるのが辛い
  • 相談業務がメインなので八つ当たりされたり、理不尽なことを言われたりする

社会福祉士は「幅広い問題に対応できる介護・福祉のプロフェッショナル」と言えばかっこいいかもしれませんが、ある意味「何でも屋」のように扱われる事も多いので、雑業務も任せられますし、誰にでもできる仕事と思われるのが少し癪です。

また、電話対応で話を聞くだけで一日が終わってしまい、他に何もできずに終わってしまった日の徒労感を理解してもらいにくいのは辛いですね。

細々した書類業務から大きな仕事までと業務量も多いのに、まだまだ社会福祉士の評価は低いなと感じています。

仕事の立場上、色んな価値観に触れる事ができ、成長できる反面、相反する価値観の間葛藤する場面が多くなります。

著者は介護業務を兼務しながらなので、介護職員の現場感覚と近い感覚で仕事ができているとは思っていますが、仕事の都合上、介護現場から離れることも多く、その場合は「口答」での援助がメインなるので、職場内のスタッフから冷ややかな目で見られてしまうこともしばしばあるのが少し辛いですね。

【社会福祉士の仕事をしてて「良かった」と思うこと】
526513

  • 様々な利用者と接することで多様な価値観に気付く
  • 社会福祉士の資格があれば福祉業界では転職しやすい
  • 資格手当がもらえる可能性がある(※就業先による)
  • 色んな職種の人と仕事ができる
  • 福祉以外の知識も学べる
  • 相談技術スキルが上がり、日常生活にも生かせる
  • ソーシャルアクションを起こしやすい
  • 自分なりのアプローチができるのでやりがいがある

介護業務のみだと特定の利用者としか係わることがありませんが、社会福祉士は様々な利用者や、多くの関係者と関わりながら仕事を進めるので、多様な価値観に触れられるという事は自身の成長に繋がるので、転職して本当に良かったと思っています。

社会福祉士の仕事内容は、それぞれの環境の中で常にベストを考え、やり方を変えていく必要があるのですが、これが難しく、時には失敗してしまう事もありますが、やりがいがあると感じています。

社会福祉士の大半の業務は、資格を持っていない人でも同じ業務内容はできますが、ケアマネジャーや医者・看護士、介護福祉士といった資格保有者と協力し、連携する上で、こちらも資格保有者であることは、同等に援助する立場として見られやすいので、社会福祉士という肩書を名乗れることは非常に重要だと感じています。

社会福祉士の主な就職先は?

サブコンテンツ

このページの先頭へ