運転免許なしだと、やっぱりデイサービスに就職・転職は難しい?
デイサービスに限らず、介護の仕事は運転免許を持っていた方が望ましい、というのは周知の事実です。
特にデイサービスの介護職は、運転免許を必須にしている事業所もあります。
自動車を運転できた方が望ましいですが、免許を持っていない方でも、デイサービスへの就職・転職への道が閉ざされる訳ではありません。
デイサービスへの就職の実態と、運転免許を持っていなくても大丈夫なケースについて解説します。
デイサービス事業者が運転免許保有者を求める理由
「免許なしでもデイサービスに就職できるのか?」
これは、多くの介護職から聞かれますが、基本的には多くのデイサービスでは、採用する介護スタッフに運転免許の資格保有者を求めます。
ですが、そもそも何でデイサービスの事業者は、介護職に運転免許を求めるのかご存知ですか?
この最もな理由としては、介護スタッフが自動車を使って利用者の送迎をしなければならないから。
何で介護スタッフが送迎をしなければならないのかと言うと、介護事業所がデイサービスを提供すると、介護報酬が貰えるのですが、この介護報酬の中に、利用者の自宅とデイサービス施設の間の”自動車送迎の費用”が含まれているからです。
つまり、自宅からデイサービス間の送迎は介護サービスに含まれるのです。
一般的なデイサービスの送迎では、普通運転免許だけで運転できる大型のバンなどを使い、高齢者を3~7人程度乗車させますが、車いすはスペースを取るので、車いすの利用者が多いと乗車できる人数が少なくなります。
利用者の送迎は、介護関係者でなくても頻繁に見かけるのではないでしょうか?
運転免許なしではデイサービス(通所施設)には就職・転職できない?
じゃあ、完全にデイサービスでは運転免許がない人は採用が無いのか?というと、そうではなく、多くは
「※運転免許必須」
「※普通自動車運転免許(AT限定可)必須 」
と記載されてる求人も多い中、
「※運転業務無し」
「※運転免許は必須ではありません」
「※送迎は添乗のみの対応なので、運転免許がない方もご安心ください」
というデイサービスの求人もあるので、免許が無いから絶対に就職できないという訳ではありません。
ただ、実際のところは、デイサービスを運営している介護事業者は、全ての介護職が運転免許を持っていることを望んでおり、これが社長や施設長の本音になるのですが、ご存じの通り、介護業界は空前の人手不足に見舞われており、求人票に「運転免許、必須」と書いてしまっては、運転免許を持たない介護資格者や就業希望者に相手にしてもらえません。
そこでデイサービス事業者は、求人票に「所有者優遇」とか「尚可(なおか)」と書いて募集している求人や、運転免許がない方でも応募してもらえるような募集を増やしているのです。
「所有者優遇」や「尚可」の求人は「運転免許を持っていれば優先的に採用面接を行う」という意味もありますが、それと同時に「運転免許を持っていない人も応募してきてくださいね」という採用担当者からのメッセージでもあるのです。
施設系でも「運転免許必須」が減少する傾向に
また、有料老人ホームや特別養護老人ホーム、介護老人保健施設といった施設系でも、採用条件から運転業務や免許取得者を削る傾向が見られます。
施設では、日常業務で自動車を運転する他に、夜勤や早番のときに自家用車が求められるため、かつてはほとんどが運転業務を必須としていました。
しかし、介護職が集まらないことで居室の一部を閉鎖せざるをえない施設が現れ始め、「日勤のみ正社員」という雇用形態も生まれました。
日勤のみの勤務で、夜勤業務なしなら、勤務時間が午前9時から午後6時までの1本しかないのです。
この昼間の時間帯であれば、公共交通機関が使えるので、運転免許が不要となるのです。
運転免許を持っていないのなら駅近くの求人がおすすめ
また「免許ないけど、どうしてもデイサービスで働きたい!」という方は、JRや地下鉄駅に近いデイサービスが狙い目です。
こうした優良立地のデイサービでは、そもそも「運転免許、不要」と求人票に掲載していることもあります。
また、多少通勤に不便になりますが、バス停近くのデイサービスも、運転免許必須ではない場合が多いでしょう。
公共交通機関の駅や停留所近くにあるデイサービスは周辺の環境も良好なので、働きやすい職場といえます。
また、運転免許を持っていない人が就職活動をする場合は、志望先をデイサービスだけに絞らない方が良いでしょう。
デイサービスと似た機能を持ちつつ、リハビリを強化した”デイケア”も、本来は運転免許必須の職場になりますが、人手不足で運転業務を必要としない求人も多いので、運転免許を持っていない人や運転が好きじゃない人は、デイサービス以外も視野に入れて就職先を検討するべきです。
実際のところ、介護現場は運転免許があるかどうかよりも、やる気を求めているので、免許ないくらいで、介護就職、介護転職を諦めないでください。