むちゃくちゃな介護職のシフト。過酷な勤務形態の実情に迫る | 介護職辞めたい人のお悩み相談室

むちゃくちゃな介護職のシフト。過酷な勤務形態の実情に迫る

sihuto介護の仕事はかつて「給料は安いが働きやすい」と言われていました。

これは、勤務日と出勤退勤時間がきっちり決まっているシフトで管理された職場だからで、1カ月前に休み希望を出せば、その日は確実に休むことができました。

しかし現在、介護業界は、空前の人材不足に見舞われており、介護施設も着々と増設されているものの、介護高齢者は増える一方で、肝心の働き手が全く足りていません。

そこで介護職場では、少ない働き手をこき使わざるを得ない状況に陥っている事業所もあるのです。

7連勤や8連勤、夜勤明けからそのまま日勤を命じられたなど、過酷なシフトを組まされている介護職員もいるのです。

ここでは、介護業界の過酷な勤務現場にスポットを当てて、その実態について紹介させていただきます。

むちゃくちゃな介護職のシフトの実態

7連勤、8連勤など連続出勤で疲労度MAX

kaigo_dukare介護の現場で「7連勤」や「8連勤」という言葉が使われる時は、連続でフルタイムでの出勤を意味していますが、何故、このような過酷な勤務が生まれてしまうのかご存知ですか?

これは、介護高齢者が「24時間365日」サポートを必要としているからです。

ですが、日本の法律では、労働者の勤務時間は1日8時間、週40時間以内と定められているので、介護の現場では、シフトと呼ばれる勤務予定表を作り、高齢者に切れ目のない介護を提供しています。

例えば

  1. 0時‐8時はAさん
  2. 8時‐16時はBさん
  3. 16時‐24時はCさん

と分担すれば、利用者は絶えず誰かに見守られているわけです。

シフト管理された職場の魅力は、理論上は残業が発生しないことです。

つまり管理職が切れ目なく介護職員を配置しさえすれば、介護職員はあたかも陸上競技のリレー選手のように、仕事というバトンを次の職員に引き継ぎ、業務を終了できるのです。

ところが、深刻な人材不足により、切れ目なくスタッフを配置するのが困難になってきたのです。

しかし、今まで通り配置できなくなったとしても、切れ目なく、介護の仕事のリレーは続けなければなりません。

マラソン競技で、走者の人数が減れば、1人の走る距離が長くなるように、介護施設で介護スタッフが減れば、1人の労働時間が長くなります。

人材不足の介護事業所に、まず見受けられるのが、残業の発生と増加です。

一気に7連勤、8連勤と悪化するのではなく、まずは残業が発生します。

もし、あなたの職場で「最近、残業が増えた」と感じるのであれば、それは連勤地獄の前触れとも考えられるでしょう。

介護の仕事でサービス残業をしないために

夜勤明けから日勤シフト。これって死ねって言ってるようなものだよね?

nebusoku介護施設で働く介護職員は、夜勤業務を伴いますが、深夜の仕事は賃金の割増率が良いので、稼げる仕事として人気があります。

ですが、夜勤明けから日勤シフトを組まされる等、ドギツイ働き方を強いられている人もいて、夜勤人気は落ちつつあります。

介護職の夜勤が稼げることには変わりありませんが、夜勤専門ならまだしも、割増賃金くらいでは割に合わないと疲労感を感じる介護職員が多いのです。

一般的に介護職の夜勤は、午後9時に介護施設に出勤して、そのまま朝まで仕事をして、朝食介助のフォローをして午前9時ごろ帰宅します。

介護施設によっては、仮眠が1~3時間程度取れるところもあります。

気になる夜勤手当は、12時間の連続勤務で、割増賃金は1回の夜勤で5,000円~10,000円の間で設定されている事業所が多いです。

12時間も働いた後なので、夜勤明けは休みになることは当たり前ですが、かつては夜勤明けの次の日も休みなのが当たり前でした。

これは、夜勤明けの日は休みとはいっても、寝てないので、そのほとんどを睡眠時間に当てなければならず、本来の意味の休日にならないからです。

ところがこのルールも、人手不足によって崩れてきていて、夜勤明けの次の日の休みが無くなってきており、夜勤明けの日にすら、仕事を命じられているようなケースもあるのです。

ただ、ほとんどの介護職場では、事前に夜勤明けからの日勤シフトを伝えられることはありません。

これは、施設長も、その勤務体制が正しくないのを知っているからです。

ですので、夜勤明けから日勤の仕事を頼まれるのは突然やってきます。

午後8時、介護職が夜勤出勤の為の準備をしていると、携帯電話が鳴り、番号を見ると、勤務先の電話番号が表示されていて、電話に出ると施設長から。

「○○さん、悪いんだけど、明日もそのまま日勤をやってもらえないかしら?」と告げられ、これが悪夢の宣告となります。

「実は日勤の予定だった△△さんのお嬢さんが肺炎を起こして入院したから、代わりに昼間も出てほしい。。」など、出勤前から絶句するしかありませんが、介護の現場で働く人はシングルマザーも少なくないので、例えば、子供の事情による欠勤は頻繁に発生するので、よっぽどの理由がない限り、断る訳にもいかず、引き受けるしかないのが現状なのです。

夜勤が辛い、やりたくない場合の解決法

労働基準法が定める法定労働時間とは?

連勤が重なったり、夜勤明けに日勤シフト入れられたりすると、「うちの勤務シフトは法律に違反しているんじゃないか?」って疑う人も沢山いるでしょうが、法律ではどのように定められているのでしょうか?

労働基準法32条では、1日8時間、週40時間(※特例措置対象事業場は44時間)を超えて労働させてはならないと定められており、日本の企業は、原則、労働者をこれ以上働かせてはならないとなっています。

これは月~金まで1日8時間働き、土日休むモデルを基本にしており、「7連勤、8連勤」や「夜勤明けから日勤シフト」は、労働法に違反している可能性があります。

可能性があるとお伝えしているのは、それだけですぐに法律違反にはならないという意味です。

これには様々な例外があり、例えば、忙しい時期と暇な時期が極端な会社では、忙しい時期に労働者を長く働かせて、暇な時期に労働者を長く休ませることができたりします。

しかし、現在の介護の現場では、7連勤や8連勤をやった後に、たっぷり休みをもらうことは難しく、代休も貰えず、有給休暇も消化できず、ただ疲労が蓄積していく、これが介護の職場の実態で、これに苦しんでいる人もいるのです。

体と心を守れるのは自分だけ

naizou_woman_bad大手広告代理店の若い女性社員が、過労を苦に自殺した事件は記憶に新しいですが、介護の現場では、ここまでの過酷さはあまり聞きませんが、連日の連勤に疲れ果ててしまい、業界を去る人間も少なからず存在します。

ただ、勘違いしてほしくないのは、「介護職はすぐに辞める」と非難されることが度々ありますが、その様に言うのは、おそらく介護の実態を知らない人がほとんどで、確かに離職者は少なくない業界ではあるけど、「介護の仕事は大好き」と言う人が多い職種でもあるのです。

ですが、どんなに仕事が好きでも、好きだけでは踏ん張りがきかないくらいの大変な時期に突入しかけています。

これが露呈しているのが、介護従事者不足による度重なる連勤や、夜勤明けの日勤シフトなのです。

介護職に従事する人が過酷なシフトを組まされて働いている実態を、国が知らない訳ではなく、国策として改善に乗り出すとも言っていますが、人材不足の解消には、まだまだ時間がかかりそうです。

仕事によるストレスや、健康被害から自分を守れるのは、結局は自分しかいません。

体力面だけでなく、精神面も崩壊しそうだと感じているなら、どうするべきかを考えなければなりません。

介護職に疲れた人へのアドバイス

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