介護業界のブラック企業の特徴と求人票から見抜く方法 | 介護職辞めたい人のお悩み相談室

介護業界のブラック企業の特徴と求人票から見抜く方法

burakku非常に残念ではありますが、介護業界にもブラック企業と呼ばれる悪質な会社が存在しています。

ブラック企業への就職や転職は、できれば事前に避けたいというのが求職者の想いですが、実際に人材を使い捨てにするような悪質な介護施設に就職してしまい、ズタボロにされて退職してしまう人が後を絶ちません。

介護就職、転職希望者が求人を探すのは、主にハローワーク、求人誌、転職サイト、アルバイト情報誌、介護求人サイト等ですが、どの求人媒体も企業のことを名指しで悪く言うことはありません。

特にハローワークは公の機関になるので「企業の批判」をしづらい体質にあるので、企業のバッシングは聞いたことがありませんし、他の求人媒体も広告などの関係から「ここはブラック企業です」なんて求人票に掲載されていることは絶対にありませんし、「ブラック企業特集」と特集が組まれているなんてことも100%ありません。

つまり、求人媒体からでは企業を批判するような言葉は耳にすること、目にすることは無いので、優良企業の中に混じったブラック介護施設の求人に応募してしまうリスクがあるのです。

ですが、ブラック企業への就職や転職を100%防ぐ事はできませんが、「客観的な意見を貰う」「自分の目で確かめる」などの対策をすれば、待遇の悪い介護施設への就職を避けることも可能です。

この記事では介護業界のブラック企業の特徴や見分け方、そしてブラック企業を避けるための介護求人サイトを利用したおすすめの活用方法をまとめました。

ホワイト企業で働きたいならこの記事を目を通してみて下さい。

介護業界にひしめくブラック企業の4つの特徴

tokuchouブラック企業が運営する介護施設にはいくつか特徴がありますが、その中でも特に目立つ4つの特徴について紹介します。

1 業界の平均に比べて給料・想定年収がやたら安い

給料の安さ(待遇面の悪さ)は、最も見抜きやすいブラック企業の絶対的な特徴です。

ブラック企業が運営する介護施設は、介護職にとってきつい辛いだけでなく、利用者である介護高齢者にも優しくない場合がほとんど。

そのような介護施設は評判が悪いので、普通の家族は自分の両親や祖父母などをその施設に入れません。

地元での評判が悪いと、入居者が集まらない不人気施設となり、必然と利用者が少なくなるので、職員の収入も上がらず、給料が安いのです。

介護従事者不足のこのご時世で「ボーナスなし」「賞与についての記載がない」介護施設や介護企業は「ブラックかも」と疑ってみるべきです。


2 相場より給料がやたら高い

ブラックと呼ばれる企業の中には、経営難のところもありますが、経営が安定しているところも少なくありません。

利用者から高いお金をふんだくり、ほとんどサービスらしいサービスを提供しないので、羽振りが良いのです。

こういう介護施設は、高い給料で介護職を釣ります。

「経験不問、資格不問、初任給25万円以上」などと謳っているところは、何か裏があると思って間違いないでしょう。


3 採用面接の中身が薄い、即採用が決まる

ブラック体質が根付いた企業では、応募者をすぐに採用したがります。

普通の介護施設は、履歴書を送ってから1~2日後に電話が来て、採用面接の日が告げられます。

面接は20分~1時間ほど行われ、早いところでは、面接日の夕方に電話で採用が伝えられますが、基本的には「結果は後日お知らせします」と言われますし、もっとしっかりした施設は書面で採用の合否を伝えます。

しかし、悪質な経営をしている企業では、採用面接に力を入れません。

これは、ブラック介護施設は介護職がすぐに辞めてしまうので、常に働く人を欲しがっているからです。

面接開始から間もないのに「それで、いつから働けるの?」と聞かれたら黄色信号(注意)、「よかったら今日これから働いていかない?もちろん時給は出しますよ」という企業は赤信号(危険)と思っておきましょう。


4 施設内に悪臭が漂う

介護施設では高齢者がオムツやポータブルトイレを使用する為、便の臭いが漂っています。

しかし、このような状態は普通ではありません。

衛生面の整った優秀な介護施設では、施設内の臭い対策をしっかり行っていて、悪臭が充満しないように消臭を心掛けています。

逆に環境が整っていない介護施設では、玄関にも廊下にも事務所にまで異臭が立ち込めています。

便の臭いがコントロールできていない施設は、衛生状態も良くないと言えるでしょう。

職場見学や採用面接で入った応接室まで臭かったら、ブラック企業の疑いは濃厚です。

求人広告からブラック介護施設を見抜く3つのポイント

minukuここまで、介護業界のブラック企業の特徴について紹介してきましたが、求人広告からも見抜くことも可能です。

求人広告からある程度だけでも、良い悪いの判断ができれば、ブラック企業への入職を回避できるので、ここでお伝えするポイントをしっかり確認しておきましょう。

「資格不問」

介護には、ホームヘルパー2級と介護職員初任者研修修了という2つの入口の資格がありますが、この介護資格がなくても、介護施設で働くのは違法ではありません。

未経験者の採用も増えていますが、ほとんどの介護施設では、初任者研修を持っている人材を採用条件にしています。

これは、普通の施設では「最低限の知識と技術を身に付けている人を採用したい」と考えるからです。

しかし、ブラック介護施設では、介護の質をほとんど気にしません。

求人票に「資格不問」と書くのは、「とにかく誰でもいいからうちに来て!」という悲鳴と思っていいでしょう。

職場が混乱しているサインかもしれないのです。


「交通費全額支給、上限なし」

介護施設はぎりぎりの予算で運営しているところがほとんどです。

介護事業所がもらう介護報酬は、病院などが貰う診療報酬より遥かに安いので、資金的に余裕がある介護事業所は多くはありません。

そこで、交通費については「全額支給」としつつ、「1万円まで」や「3万円まで」といった上限があります。

全額支給としつつ上限を設定しているのはケチなのではなく、「3万円も交通費を支払ってしまったら、人件費が膨らんでしまう」ということなのです。

それにも関わらず、交通費全額支給、上限なしを掲げている求人票は、よほど景気がいい企業か、ブラック企業の2者です。

かなり大盤振る舞いな待遇を掲げる施設は、なにか事情があるかもという視点を持つことも大切です。


「いつ見ても募集している施設」

求人広告がいつも出ていたり、求人票がずっと無くならない施設や介護事業所は気を付けた方が良いでしょう。

求人広告は掲載するだけで数万円から数十万円のコストがかかります。

それだけ広告費をかけても定員に達しないのは、単に掲載の仕方が悪い、待遇が悪いなど、何らかの理由があります。

求人広告にお金をかけることができても、介護職の給料は上げたくない経営者なのかもしれませんし、離職者が絶えないので、常に募集をかけないと人材が補てんできないかもしれない可能性も否定できないので、十分注意が必要です。

求人票から介護業界のブラック企業を診断しよう

これから就職先・転職先を探す人の為に、ブラック企業を判断するためのチェック項目を用意しました。

待遇を比較するためにも、少なくとも3社くらいはチェックしてみてください。

チェック項目 A社 B社 C社
どの求人媒体でもその企業の求人票を見る
毎回求人が掲載されている
給料が相場より1~3万円以上高い、または1~3万円以上安い
備考欄に「誰でもOK」「無資格者、未経験歓迎」といった言葉が並ぶ
運営企業が社会福祉法人や株式会社ではなく、有限会社や合同会社やNPO法人
会社の設立が3年以内

※こちらのチェック項目はあくまで一般的な傾向を示すものです。この項目に当てはまっているから必ずしもブラック企業とは断定できません。

もちろん有限会社が合同会社やNPO法人が、必ずしもダメということではありません。

有限会社や合同会社やNPO法人でも、素晴らしい介護施設を運営しているところは沢山あります。

ですが、ブラック企業は少ない予算で儲けようとするので、そうなると有限会社などは少ないコストで設立できるので、注意しておいた方が良いのです。

また、設立から3年以内の新しい会社についても同じことが言えます。

志が強い人が集まって「より良い介護施設を作ろう」と立ち上がったところもあるとは思いますが、新しい会社は、資本力が弱いケースが多いので、経営が安定するまでに数年の時間を要します。

介護の予算は今後増々厳しくなることが想定されるので、そうなるといくら理念が立派でも、経営基盤がしっかりしていない介護事業所は倒産することになりかねないのです。

応募したい介護施設の評判を調べる

ブラック企業への応募を避けるにはどうすればいいのか?

kanngaeru介護業界に就職や転職をお考えの方で、ホワイト企業で働きたいと考えているなら、業界の情報に精通した介護求人サイトの利用が必要不可欠です。

介護求人サイトの担当者は、「求職者と介護施設のマッチング」を重視しているので、「長く働けるところを探す」仕組みができていますし、紹介した施設をすぐに辞められてしまったら、担当者のマイナス評価に繋がるので、介護求人サイトが、ブラック企業を紹介することは限りなく少ないと言ってもいいでしょう。

ブラックな介護事業者や介護施設への就職・転職を避けるのに介護求人サイトの活用をおすすめする理由は

  • 「就職先の施設について熟知しているケースが多い」
  • 「職場見学を通じ、自分の目で見て判断できる」

の2点です。

あなたの就職を支援してくれる担当者は、事前に介護施設を見学していたり、採用担当者とコンタクトを取っており、就職先の様子について熟知している可能性が高く、具体的なアドバイスが受けられます。

また、気になる施設があれば、応募する前に職場見学を担当者からお願いしてもらえるので、自分の目で施設内の雰囲気や空気感を確認し、採用担当者と話をしてみて直接会ってじゃないと聞けないような質問をぶつけることもできるので、面接前に見学しておくのはとても重要なのです。

例えば、ハローワークの担当者は毎日何人もの就職を斡旋していますが、介護業界の求人が多いとはいっても、具体的にどのような施設かまでは把握していません。

把握している情報はせいぜい求人票に書いてある情報だけ。

「餅は餅屋」ということわざがあるように、介護の仕事を探すなら介護求人の専門媒体が最適なのです。

働きやすい介護施設の探し方

常識は非常識!?疑う視点、考え方を持とう

例えば、一般の人は「ハローワークがブラック企業を勧めるはずがない!」と思い込みがちですが、残念ながら必ずしもそうではありません。

もちろん、新聞やテレビで報道されたり、労働基準監督署の捜査が入った「れっきとしたブラック企業」であれば、ハローワークも「ここは止めておきなさい」と言ってくれるでしょうが、はっきり言ってそのようなケースはレアです。

「限りなくブラックに近いグレー企業」は、ハローワークだけに限らず、どの求人媒体にも紛れているので、「結局は就職してみるまで分からない」と諦めがちですが、ネットの口コミや職場見学を通じて、その施設が良いのか?悪そうなのか?を、人から聞いた情報と、自分の目で確認した情報を合わせて、総合的に判断することが必要なのです。

まずは色々な求人に目を通し、気になる施設に応募する前に職場見学をしてから慎重に判断してください。

これから介護の仕事に就く予定の介護の卵の方や、初めての介護職場で「これが当たり前」と思い、酷い待遇や仕打ちに我慢している方は、一歩離れたところから見つめ直して考えてみるのも大切です。
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