病院の介護福祉士の求人や仕事内容について
介護福祉士は介護をする仕事ですので、働く場所として最も多いのは特別養護老人ホームや、訪問介護などの在宅サービスが中心になりますが、介護福祉士の働く場所はそれ以外にも多数あり、その中でも人気が高いのが「総合病院」などの医療施設です。
私自身、介護福祉士を取得してから介護の世界に身を置いて、10年以上になりますが、最初は訪問介護で働き、次に施設、最終的に病院で勤務をしています。
介護職が病院で働くことに、最初は抵抗がありましたが、働く上での安心感や福利厚生などの待遇面などを考えると病院で働いて良かったと日々感じています。
病院で働く介護福祉士は、日々どのような業務をこなし、どのような勤務形態、給与体制で働いているのか?
介護福祉士を取得して病院で働こうと考えている方や、まだ介護福祉士を取得していないけど、「介護職として病院で働きたい!」と考えている方は是非参考にしてみてください。
病院の介護福祉士の仕事内容について
病院で働く介護福祉士はどのような仕事をしているのか?介護施設と比べるとどのような違いがあるのか?についてご紹介していきます。
まず、病院で働く介護福祉士の主な仕事内容は「身体介護」で、排せつ介助、入浴介助、おむつ交換など全般的な介護が主な仕事になります。
介護施設の場合はそれらの介護業務に加えて、ケアマネの場合はケアプランの作成だったり、カンファレンス(サービス担当者会議)などに参加したり、介護福祉士やヘルパーさんは高齢者のレクリエーションを行ったりしますが、病院勤務の場合はそれらに介護福祉士が関わることはほとんどありません。
特に看護助手として働いている場合はその傾向が強く、身体介護を中心に日常生活上の介護を中心に行っています。
病院では看護師や医師などの医療従事者が第一線で働いていますので、それらの専門職の指示を受けて、介護を行うイメージがあります。
病院勤務の介護福祉士の給料は?
病院で働く場合は施設で働くよりも給料が良いケースが多いと聞かれたことのある方も多いと思いますが、実際に貰える給料はいくらぐらいなのか?私の給与事情を紹介します。
月収 | 32万円 (夜勤4回、残業月20時間) |
手取り | 27万円 |
賞与 | 4カ月 |
年収 | 425万円 |
勤続年数 | 7年 |
平均的な介護福祉士の平均年収は340万円程なので、それを50万以上上回るこの給料・年収には満足しています。
病院の介護の仕事は、一般の介護施設よりも給料が高いケースが多く、病院では夜勤手当とボーナスが充実しているところが多いですね。
直接雇用のパートは平均的に900円から1000円前後で、これは施設で働いてる方と同じぐらいで、介護派遣になると1000円以上~1600円前後の求人が多くなり、直接雇用のパートよりも間接雇用の派遣社員の方が時給は高い傾向にあります。
病院の介護福祉士の求人を探すには?
介護福祉士に限らず、介護職全般の方で病院で働きたいという場合、どのように求人情報を探すのが最適なのでしょうか?
既に働きたい病院が決まっている方は、病院のHPを見て、介護職員を募集しているか?チェックしてみると良いと思いますが、病院の介護職員はそもそも募集していなかったり、無資格者は募集していないなど様々です。
また、医療法人によっては病院に併設して介護施設を運営しているところも多いので、まずは経営母体の大きいところを中心に求人を探してみると良いでしょう。
全国に数ある医療法人の中から、自分の条件に合った、病院の介護求人のおすすめの探し方は介護求人サイトを活用すること。
介護求人サイトからであれば、希望勤務地からエリア内にある病院の介護職員の求人を効率的に探すことが可能です。
スマイルサポート介護やスタッフサービスメディカルは、全国エリアの介護求人に対応しているので、各地域の求人情報を調べることができます。
病院の介護求人は非公開案件として取り扱われているケースもある為、介護職で病院で働きたいと考えるなら、まずは求人サイトから検索してみましょう。
スマイルサポート介護 | スタッフサービスメディカル | |
---|---|---|
HP | https://www.h-career-support.com/ | https://www.staffservice-medical.jp/ |
対応エリア | 全国対応 | 全国対応 |
求人総数 | 約94000件 | 約54000件 |
一言コメント | 正社員のお仕事情報に強い介護求人サイトです | 派遣・紹介予定派遣・正社員に強い介護求人サイトです |
※福利厚生や賞与が充実している病院勤務の介護職員の求人募集はそれほど多くはありません。非公開求人として会員限定で紹介されているケースもあるので、複数サイトに登録し、より多くの病院の求人情報を集めるようにしましょう。
病院で働く介護職員の日勤のタイムスケジュール
病院によってタイムスケジュールは様々ですが、ここでは実際に私が経験している仕事の流れをご紹介します。
09:00 出勤
出勤をするとまず申し送りを受けて、前夜の様子、その日に注意すること、その日のおおまかなスケジュールが申し送られます。
09:30 排せつ介助
病院ではほとんどが寝たきりの方になりますので、大半がおむつ交換になります。施設と比べて医療的に注意して(点滴をしているなど)おむつ交換をしないといけない場合がありますので、気を付けておむつ交換を行います。
10:00 入浴介助
入院している方は週に2回の入浴があります、週2回の入浴で全ての方が入ることはできませんので、曜日ごとに振り分けて日曜日以外毎日入浴介助をしていました。ここでも排せつ介助と同様に医療的に気を付けないといけない方が多いですので、慎重に行っていました。
12:00 食事介助
病院では施設と比べて胃ろうの方が非常に多いですので、意外と食事介助自体の人数は少ないです。また、ほとんどが全介助の方が多いです。
13:00 休憩
14:00 排せつ介助
15:00 おやつ
16:30 排せつ介助
17:30 食事介助
18:00 退勤
病院では時間の流れに沿って動くことがほとんどなので、私が働いていた病院では余程の事が無い限り残業はありませんでしたが、病院によって違ってくるでしょう。
病院で働く介護職員の夜勤のタイムスケジュール
病院では患者さんは24時間いますので、職員も24時間体制で動くことになります。夜勤のスケジュールについてご紹介していきます。
16:00 出勤
出勤をすると日勤帯と同様で、申し送りから始まります。日勤帯に起こった出来事や、夜間帯に注意することなどを申し送られます。
17:00 食事の準備など
申し送りが終われば準備を行います。食事の準備はもちろんですが、明日の入浴をされる方の服の準備なども行います。
17:30 食事介助
食事介助は日勤帯と一緒に行うことが多いです。
18:00 ナイトケア
ナイトケアとは夜に行う介助のことです。臥床介助とも言われます。口腔内を清潔にしたり、寝る前に着替えたり、ベッドに横になってもらったりなどの介助を行い休んでいただきます。
19:00 排せつ介助
夜間帯1回目の排せつ介助になります。
20:00 食事休憩
職員の食事の時間です。ナースと一緒に食事をとったりして和気あいあいとしています。しかし、日によってはナースコールが頻回に鳴っている場合もありますので、ゆっくりと食事が摂れない日もあります。ここからは朝まで1時間~2時間おきに巡視をしてお変わりないか確認をしていきます。
21:00 水分補給
夜間帯でも水分が足りていない方は水分補給を行って、水分の摂取をしてもらいます。
23:00 2回目の排せつ介助
00:00 仮眠
夜間帯は2時間の仮眠時間があります。日によってはナースコールが鳴って仮眠が取れないこともありますが、基本的に2時間ゆっくりと休むことができます。2人で夜勤をしている場合は交代で取ります。
04:00 排せつ介助
3回目の排せつ介助になります。この時間は尿量が多い方のみいきます。
06:00 排せつ介助
4回目の排せつ介助なります。
06:30 起床
順番に起きてもらいます。食堂がある病院なら食堂に誘導をしていきます。
07:00 食事介助
朝の食事介助を行います。朝は食事自体が少ないですので昼、夜と比べても早く終わります。
08:00 排せつ介助
09:00 退勤
夜勤は何かトラブルがあると残業になりがちですが、ほとんどの場合は時間通りに帰ることができます。
病院で働く介護福祉士の役割
病院で働く場合は、介護福祉士として機能はあまりなく、看護助手の扱いで働くことが多いです。
介護福祉士として介護が必要な方の生活を良くする為の役割としては低く、どちらかというと看護師のサポート役になることが多いのです。
しかし、最近では患者さんのQOL(生活の質)を重視している病院も多く、そういった病院では患者さんの生活に介護福祉士が意見できることが多く、肉体的な介護はもちろんですが、レクリエーションなどの精神的な介護を実施することができます。
介護の経験が無くても働けるの?
病院ではある程度の介護の経験があれば良いとされていますが、必ず必要だということはありません。
病院によっては無資格、未経験の介護職を募集しているところもありますしね。
しかし、そういったところはシーツ交換などの生活援助からスタートすることが多いので、前もってどんな仕事を任されるようになるのか?聞いておきましょう。
未経験者や無資格者だから採用してもらえないという事はありませんが、経験者の方が圧倒的に採用率も高くなる傾向にあります。
病院と施設勤務どっちがいいの?
それぞれメリットデメリットもありますので一概には言えませんが、勤務体制や待遇面を見ると病院の方が一歩上でしょう。
医療法人は社会福祉法人よりも資金面でかなり余裕がありますし、母体が大きな企業が多いので安定していますからね。
少し注意しておくべきポイントとしては、あくまでも病院では医療従事者が主体の職場になるので、介護福祉士はまだまだ医療従事者の下に見られることもあるのです。
ですから、介護福祉士がいくら出世しても、病院の中では看護師の上には立つことはできないので、介護福祉士として出世をして管理職的な立場に立ちたいと考えている場合は病院では叶わない可能性が高いです。
また、経験上の話をすると、総合病院などで働いた経験があると医療の知識が増します。
ある程度の医療的な知識は介護福祉士として必要になるので、一般の福祉施設では経験するだけでは得られない知識を得ることができるので、スキルアップを望む方にとっても非常に良い職場になります。
病院で働こうと考えているのであれば、同じ医療法人でも老人保健施設を持っていたり、介護療養型医療施設を併設しているところであれば、介護福祉士の仕事を理解していることが多く、介護福祉士としての発言力も強くなり、介護の専門性を発揮できます。
ですので、まずは医療法人で介護施設を運営している求人から見てみることをおすすめします。