介護派遣って実際どうなの?登録するメリット・デメリットを業界人がお教えします | 介護職辞めたい人のお悩み相談室

介護派遣って実際どうなの?登録するメリット・デメリットを業界人がお教えします

近年の介護求人の傾向として、介護職の人材派遣の仕事の募集が増えていますが、介護派遣って実際どうなの?

「介護は人の命を預かる責任のある仕事だから有資格者のイメージだけど、無資格でも未経験でも務まるって本当!?」
「介護施設はサービス残業が多いイメージがあるけど、派遣社員はどうなってるの?」
「介護は低賃金と言われているけど、派遣の場合は時給は低いの?」

など、介護職の人材派遣に関する疑問の声が多く聞かれています。

そこでこの記事では、介護業界歴8年の介護福祉士が介護派遣のメリットやデメリットについて詳しく解説しています。

事前に派遣社員としてのメリット・デメリットを把握しておくことで、就業のミスマッチ・失敗を最小限に抑えることができるうようになり、自分自身も納得して働くことができます。

人材派遣という仕組みが、自分が働くにあたってどのようなメリットやデメリットがあるのかをしっかり確認しておきましょう。

介護派遣のメリット|人気の理由はココにある

① 【高時給】派遣ならパートや正社員よりも稼ぎやすい

派遣社員のメリットとして1番初めに挙げられるのは、やはり他の就業形態と比べて『高時給』であることでしょう。

 

✓ 介護職員の平均時給・日給を『派遣・パート・正社員』で比較

雇用形態 時給 日給
正社員 1,289円 10,132円
パート 1,267円 9,564円
派遣 1,490円 11,927円

参考:「厚生労働省 平成27年度労働者派遣事業報告書の集計結果」「厚生労働省 平成27年度介護従事者処遇状況等調査結果

 

『派遣は給料が安い、稼ぎにくい』

このように思われている方も多いのではないでしょうか?

 

しかし、上記表のように時給や日給換算にして比較してみると、派遣社員はパートや正社員よりも時給が高く稼ぎやすいということが良く分かります。

 

地域にもよりますが、東京などの都心の場合は「時給1800円以上の介護施設」もあるなど、単純計算で『時給1800円×8時間労働×22日間勤務=月給31万円』となり、介護業界ではなかなか稼げない金額です。

さらに夜勤に月5日入れば、拘束時間は16時間となるので、1勤務25000円~30000円の夜勤求人もあり、更なる高額月収を手にすることができます。

正社員の夜勤手当は「3000円~8000円程度」なので、いかに派遣の待遇が良いかよくお分かりいただけるのではないでしょうか。

時給が高いというのは、介護職の派遣社員で働く上で大きなメリットとなります。

夜勤専従介護のメリット・デメリットと求人探し

② 時間の融通が利く、短時間勤務OK|主婦の方も働きやすい

『時間の融通が利く』というのも、介護士に派遣という働き方が選ばれる理由の1つです。

介護士のパートの求人情報を見ると「9:00~13:00」「10:00~15:00」といったように、『時間指定された求人』を多く見かけます。

この理由としては、単純に『その時間の職員人数が少ないから』で、人材が不足している限られた時間のみ採用したいという募集が多いのが特徴です。

 

しかし、派遣の場合は『日勤フルタイム、夜勤専従、週4勤務、3時間の短時間勤務、週1回勤務』など働き方も多様ですし、何よりその条件に見合う条件の施設を派遣会社側がマッチングしてくれるので、忙しい主婦の方にも好評です

 

また、派遣社員は常に『労働者派遣法』という法律に守られているので、介護派遣スタッフのサービス残業はほとんどありません。

もしも、サービス残業を強いられている職場ならば、登録している派遣会社に相談すれば担当者が施設側に連絡を取り、改善するように指導してくれます。

 

また、時給の発生する残業は、1日の労働時間が8時間を超えた場合に割増時給として「25%」上乗せされた金額が残業代として支払われる規則があります。

「働き損がない」のは介護職の派遣で働くメリットと言えるでしょう。

専業主婦や小さなお子さまを育てているママは、保育園や幼稚園のお迎えなどもありますし、20代30代40代の女性が子育て・仕事・家事を全てこなして正社員として働くのはとても大変なことです。

ですが、派遣なら時間の融通が利く分、一日のタイムスケジュールを決めながら生活を送ることができようになります。

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③ 無資格未経験者の採用に強いのは圧倒的に介護派遣

なんで介護職の派遣社員は無資格・未経験者でも採用率が高いのでしょうか?

厚生労働省の調査によると、企業が派遣社員を採用する理由は、

「臨時・季節的業務量の変化に対応するため」

「雇用量を調整するため」

参考:就業形態の多様化に関する総合実態調査の概況

と回答しています。

つまり、派遣社員の方が無資格未経験でも採用されやすい理由は「人員不足の穴埋め」ということです。

介護施設は人員不足に悩まされているので、人員の配置人数をクリアするため「すぐにでも職員を採用したい」といった場合には派遣社員を採用する場合が多いのです。

~無資格者や介護未経験の人の悩み~

「介護関係の資格を何も持っていないから、採用されないのでは?」
「未経験、実務経験がないから採用してもらえるのか不安」

など、介護業界に就職するにあたって、このような不安を抱えている方も多いと思いますが、無資格未経験で最も採用されやすい雇用形態を探しているなら派遣社員から始めることをおすすめします。

実際に、介護派遣会社大手の「スタッフサービスメディカル」のデータでも、登録者の『約55%』は他業界から介護士への転職をしたというデータが出ているので、無資格未経験から介護の仕事を始めるなら人材派遣から検討するべきです。

④ 短時間契約の派遣社員でも『介護福祉士国家資格取得』に向けた実務経験が積める

国家資格である介護福祉士を受験するためには、「3年以上(540日以上)の実務経験が必須」となりますが、派遣社員として働いた期間も実務経験としてカウントされます。

しかし、「3年以上、540日以上」との指定があるものの、実はこれ『時間』の規制は定められていません。

つまり、1日1時間の勤務であっても、それは1日働いたとしてカウントされるのです。

正社員の場合は必然的に1日8時間の勤務となります。

ですが、派遣社員は時間指定している方が多いので、これは圧倒的に派遣社員の方が得だと言えます。

 

また、財団法人介護労働安定センターが、採用時の月例給与の決定に関わる要素を調査した結果、『介護福祉士国家資格の保有者が一番給与が上がりやすい』といった調査結果が出ています。

「介護福祉士」資格については多くの法人が賃金に何らかの加算をつけている。基本給、諸手当に関わらず、介護職として月例給与に加算される資格は、「介護福祉士」(26 法人)が最も多く、他に「介護支援専門員」(14 法人)、「社会福祉士」(13 法人)、「介護職員基礎研修」(10 法人)、ヘルパー1 級(10 法人)であった。

引用URL:介護事業所における賃金制度等実態調査

派遣、パート、正社員関係なく、これから介護施設に勤めることを考えているなら、介護福祉士国家資格取得も視野に入れましょう。

ちなみに、スタッフサービスメディカルでは、介護福祉士国家資格取得に向けて受験に必須となる「実務者研修」の費用(10万円程度)を全額負担してもらえるのでかなりお得です。

スタッフサービスメディカルをもっと詳しく見る

⑤ 施設内の勉強会参加が免除される

介護施設では、職員のスキルアップのために『施設内研修(勉強会)』というものが月1回程度あります。

基本的には、全職員がスキルアップのために参加しなければならない勉強会ですが、派遣社員は免除となり参加する必要はありません。

理由としては、「派遣の雇用主は派遣会社なので、施設側は施設内の勉強会を強要できない」といったところにあります。

業務時間内に勉強会を行うことは難しく、業務終了後に残業として勉強会を行っている施設が多いのですが、勉強会を嫌がる介護士も多いです。

しかし、派遣であれば施設内研修は免除となるので参加する必要はありません。

ただ、参加してはいけないということではないので、スキルアップに向けて参加したいのであれば派遣であっても参加可能です。

介護派遣のデメリット|登録する前に知っておきたい5つの実態

① 派遣社員は3年以上同じ職場で働き続けることができない

2015年に労働者派遣法が改正され、新たに「3年ルール」が制定されました。

3年ルールについて簡単に説明すると

「3年目以降の派遣社員は、雇用していた会社が派遣会社に『正式雇用します』と依頼するか、新たな派遣先を紹介してもらう。または、派遣元で無期限雇用とすること」

と定められている派遣のルールになります。

もしも、3年後に派遣先の介護施設で働き続けたいなら、派遣社員としては働き続けることはできないので、正式雇用してもらい、その施設でパートか正社員になるしかないということになります。

派遣社員の高時給に魅力を感じている方は給料が下がることにもなりかねませんし、その他にも「正社員としては働きたくはない」というニーズも多いので、本当ならこの職場で派遣で働き続けたかったけど、やむを得ず他の派遣先に配属されるようなケースも出てくるでしょう。

② 世間では『正社員>派遣社員』という風潮が少なからず存在している

介護業界だけに限らず、派遣という就業形態に関して「不安定」などのマイナスイメージを世間一般では持たれています。

実際、「正社員 VS 派遣社員」の議論になると、正社員を擁護する意見の方が多く、派遣は常に下に見られがちです。

「派遣社員には責任重大な仕事を任せられない」
「常に、派遣さんと呼ばれ、名前で呼んでもらえない」

などの悩みはよく聞く話です。その他にも

「正社員は定時に帰れないのに派遣社員は定時ピッタリに帰れてズルい」
「なんで仕事ができないあの派遣より時給が低いの?」

などで妬まれるケースもあります。

その点は、ある程度覚悟してい置いた方が良いと思いますが、だからといって、職場に馴染めず働きにくいといった問題はそれほど出ていません。

実際派遣社員であってもイキイキと仕事をされている方はたくさんいます。

③ 『解雇・派遣切り』など、1番最初にクビを切られるのは派遣

2008年に起きた世界的金融危機「リーマンショック」は、10代や20代の若い世代の方も一度は耳にしたことがあるのでは?

この時に1番最初に企業が行った対策が『広告費や人件費の削減』です。

人件費の削減で1番初めに解雇の対象となったのが『派遣社員』なのです。

リーマンショック時の大々的な派遣切りは大きな社会問題となりました。

10年近く経った今では忘れ去られつつありますが、このような事態は今後も起こりうる可能性があります。

介護施設の運営は、国が定める介護報酬制度に依るところが大きいので、法改正で介護報酬の引き下げが決定した場合、介護事業所の収益源が少なくなります。

介護事業所で発生するコストは「人件費」がそのほとんどを占めるので、時給の高い派遣社員から切られていくといった現状があるのです。

④ 介護派遣は賞与(ボーナス)が出ない

賞与がないというのは人材派遣の大きなデメリットでしょう。

施設によっては、パートでもボーナスが貰えるところもあります。

しかし、派遣社員の場合は雇用主が派遣会社となっているため賞与が発生しません。

正社員と、人材派遣を考える方のニーズが異なるので、賞与がないのはそれほど問題ではありませんが、賞与ありを1番に考えるなら正社員での就業を検討しましょう。

ただし、最近は正社員求人であっても賞与が出ない介護施設も多数あるので、待遇面はしっかり確認しておく必要があります。

⑤ 派遣労働者の多くは『交通費は自己負担』となっている

介護に限らず、人材派遣業界では基本的に交通費は支給されないケースが多いです。

なので、派遣労働者の多くは自分の給与から交通費を出して派遣先まで向かっており、「交通費は原則自己負担」というのが派遣業界の認知になります。

 

交通費は出ないのが派遣業界の常識ですが、業界大手のスタッフサービスメディカルでは、2017年10月より『すべての求人で交通費を支給』をスタートしています。

通常の時給にプラスして交通費が支給されるのは、他の派遣会社にはない大きな魅力です。

介護派遣をお考えなら、全国対応のスタッフサービスメディカルから登録を検討されることをおすすめします。

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介護派遣の就業で失敗しないためには事前のリサーチを大切に

介護派遣だけに限らず、人材派遣の仕事は、その高い時給に目が惹かれますが、メリットの裏にはデメリットも存在します。

「派遣なら正社員と違って合わなかったらすぐ辞めれる」という声もありますが、

 

「なるべくなら働きやすい環境に就業してほしい」「自分に合った働き方を選択してほしい」

 

というのが、これから介護業界で働く人への私たち先輩介護士からのメッセージになります。

最初から自分に1番合う就業先や働き方を見つけるのは難しいかもしれません。

ですが、介護派遣会社を通せば、介護施設の求人情報だけでなく内部情報から就業前の施設見学まで対応してくれるので、「こんなところで働くんじゃなかった」という就職・転職の失敗を最小限に抑えることができます。

その為にも、あなたがやるべきことは働き方のメリット・デメリットを把握するだけでなく、優良な人材派遣会社に登録することが大切でしょう。

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