介護職員の認知症介護疲れやストレス | 介護職辞めたい人のお悩み相談室

介護職員の認知症介護疲れやストレス

113_chinji_6超高齢化社会を迎え、介護が必要なお年寄りは年々増えてきています。

認知症高齢者の数も増加する一方で、2025年には700万人を超えるだろうと推計されており、老人介護施設において、認知症高齢者に対するケアの比重も大きくなっています。

介護職員は、質の高いケアを行うために認知症についてしっかりと学び、仕事に真剣に取り組んでいますが、時に途方に暮れ、迷い、介護の仕事自体に疲れてしまうことがあります。

介護職員が認知症介護に対してストレスを抱えてしまった場合、どうすれば良いのでしょうか。

認知症介護に疲れ、辞めたいと思う介護士が今増えている

介護の仕事は体力的にも精神的にも大変な仕事ではありますが、人の役に立てる、やりがいのある仕事です。

仕事の中で多少しんどいこと、辛いことがあったとしても、利用者様からの笑顔、何気ない感謝の言葉が、介護士の元気の源であり特効薬である、と言っても過言ではありませんので、お年寄りからの「ありがとう」の一言に癒され、「頑張ろう!」という前向きな気持ちになる介護士が多いことでしょう。

しかし、お年寄りからのどんな言葉も心に響かないくらい、疲れきってしまうことがあります。

職場の人間関係や仕事上の悩みなど、心が疲れてしまう理由には様々な要因がありますが、やはり介護業務自体に疲れきってしまう場合が多いです。

特に、認知症高齢者の方へのケアは難しいケースもあるので、うまくケアできなかった場合に、自分の介護スキルに自信がなくなったりもします。

うまく信頼関係を築けずに毎日暴言を浴びたりした時には、その入居者様の顔を見る事さえ嫌になってしまうことがあります。

そういうことから仕事に行きたくない、仕事を辞めてしまいたい、と悩む介護職員が増えているのです。

認知症介護の事例や実態

介護施設では、全ての利用者様に安心して楽しく生活して頂けるよう、その人個人個人にあったケアを提供しています。

認知症を患っている方に対しては、認知症状によって引きおこる様々な障害を介護職員、看護職員などチーム全体で考察し、その人にとってより良いケアを提供できるよう話し合いながらケアをしていくことになります。

認知症の周辺症状としては、徘徊、ろう便、被害妄想、物盗られ妄想や暴言、暴力、介護に対する強い拒否、意欲低下・思考低下などのうつ症状など様々な問題症状がありますが、これらの中でも介護職員にとって、一番しんどいと感じる症状は、「介護拒否や暴言・暴力」かもしれません。

叩かれたり、つねられたり、ひどい言葉でなじられたりすると、いくら認知症状からの言動だと心では理解していても、そのお年寄りの介護をすることが怖くなってしまうことがあります。

そして、自分の介護の仕方が悪いせいではないか、とケアに対してどんどん自信がなくなっていき、仕事に対する向上心も薄れてしまうという悪循環に陥ってしまうことにもなるのです。

常にストレスを感じる認知症介護

老人介護施設の介護職員、特に介護福祉士等の資格を有している職員は、痴呆症について一定の知識があります。

認知症ケアについて勉強してきたはずが、実際に認知症高齢者の介護を行う中で、自分の理想とするケアを実践することができず、そのことがストレスになる場合があります。

例えば、認知症高齢者の入居者様から人格を否定されるようなひどい言葉で罵られたりすると、「寄り添う介護」「傾聴の大切さ」など、今までテキストで学んできた知識も吹っ飛んでしまい、相手に対して怒りや憎しみといった感情が一瞬でも湧き上がってしまうことがあるのです。

後で冷静になって考えた時に、そのようなマイナスな感情を持ってしまった自分はプロの介護士として失格ではないか、と思い悩み、ストレスを大きくしてしまうケースがあります。

真面目な性格の人ほど、そして介護経験のまだ浅い介護士ほど、このように思い悩むことが多いのですが、一時的に感情的になることは誰にだってありますが、困った時には先輩介護士に相談するなどして、ストレスを自分の中に溜めこまないようにするのが認知症介護で疲れを溜めないポイントなのです。

また、看護士やケースワーカーなど、別の専門職の人に相談すると、違った視点からアドバイスをもらえることもあります。

ストレス自己点検シート

認知症の人が少ない介護施設はあるのか!?

064_kurumaisu_f色々と努力してみたけれど、認知症高齢者の方への介護に疲れてしまった、辛いと感じる場合、思い切って認知症の方が少ない高齢者施設への転職を検討してみるのも良いでしょう。

特別養護老人ホームは介護を必要とする高齢者が利用する施設であり、認知症高齢者の居住率も高いことが特徴で知られており、グループホームは認知症の方の介護がメインの施設になります。

健康な高齢者の方が入居する率が高い施設は、認知症高齢者の数も少なくなると言えます。

「住宅型有料老人ホーム」や「高齢者向けマンション」は、比較的健康な方が居住しているので、認知症ケアに疲れた方は、そのような施設の求人を探してみてはいかがでしょうか。

各施設毎にそれぞれ特徴があるので、求人情報の施設紹介をじっくりと目を通して、自分に合いそうな施設を選ぶと良いでしょう。
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