絶対に取るべき介護の資格【厳選4つ】
「介護の仕事を始めようと思ってるけど、どんな資格を取るのがおすすめ?」
「介護の仕事を初めて2年。そろそろ何か資格を取得し、スキルアップしたい」
このように何か介護の資格を取りたいとお考えの方は多いんじゃないでしょうか?
ですが、福祉や介護に関する資格というのは、沢山の種類があるので「どれから取得すればいいのか分からない」「そもそも資格についてよく分かっていない」「結局なに取ればいいの?」という声をよく耳にします。
そこで、ここでは介護業界で生き残るために重要な介護資格を厳選して4つだけご紹介します。
ここに記載している介護資格を順番に取得していけば、将来的な給与アップにも繋がるので、何か介護の資格を取りたいと考えるなら、下記に紹介するものから順番に取得を検討してみましょう。
絶対に取るべき介護の資格を厳選して紹介
- 1.介護職員初任者研修
- 旧ホームヘルパー2級。介護の入口の資格で、何も資格を取得されていない方はまずはこちらから
- 2.介護福祉士実務者研修
- 介護福祉士の試験を受けるために必要な資格。この資格があればサービス提供責任者にも就くことができます
- 3.介護福祉士
- 現場の仕事をする人の「頂点」の資格。実務経験3年、実務者研修修了、試験合格という3つのハードルがあります
- 4.ケアマネージャー
- 介護サービスの司令塔の資格で、合格率20%と難関資格になります
下記に資格の概要や詳細について詳しく解説します!
「介護職員初任者研修」は介護の入り口資格
介護職員初任者研修は、「研修」という名称ですが、資格名で、現場では主に「初任者研修」と呼ばれています。
初任者研修は介護の入口的な資格とされ、長期的に介護職の仕事をしたいと考えるなら、この資格は必須です。
以前は旧名称の「ホームヘルパー2級」があったのはご存知の方も多いと思いますが、国は介護保険制度のスタート当初、認知症高齢者へのケアや、お看取り業務がこれほど深刻化するとは想定していませんでした。
それで、ホームヘルパー2級を取得するための講義内容では足らなくなり、医療のことを充実させた初任者研修にバージョンアップさせたのです。
初任者研修を取得するには
- 学校に通う
- もしくは通信講座で取得
することが可能です。
【取得期間目安】
研修時間は合計130時間で、ほとんどの学校は通信制を導入しており、通信講座を利用すれば検収時間は90時間まで減ります。
資格取得に必要な期間は受講する機関によって異なりますが、どんなに長くても3カ月で終了するでしょう。
最短だと3週間程度で取ることも可能です。
初任者研修を修了するには
- 通信レポートをすべて提出する
- 講義に全て出席する
- 修了試験に合格する
ことが必要で、修了試験に合格して初めて介護職員初任者研修の資格保持者になることができます。
【取得費用目安】
取得するのにかかる費用は、受講する機関によってまちまちで「2万円~15万円」前後とかなり幅があるので、資格学校に通って取得する場合は、多少交通費をかけても隣町の学校に通った方が安く済むこともあります。
また、通信講座も費用に差があるので、資格取得を考えているなら、まずは資料請求してみて、資格取得にかかる費用や、どのタイプが自分に合っているのかを比較検討しましょう。
「介護福祉士実務者研修」(旧ホームヘルパー1級)
初任者研修の上位資格となるのが「介護福祉士実務者研修」です。
これも名称に研修と付いていますが、資格名になり、現場では主に「実務者研修」と呼ばれています。
実務者研修は、介護福祉士の試験を受ける為に必要な資格になります。
また、サービス提供責任者という管理的業務を行う場合も実務者研修が必要で、初任者研修の人でもサービス提供責任者の仕事はできますが、介護報酬が減らされてしまいます。
このような理由から、介護施設などの事業所は、実務者研修の人にサービス提供責任者を任せることが多いのです。
冒頭で「実務者研修は初任者研修の上の資格である」と申し上げましたが、実は初任者研修を持っていなくても、実務者研修の資格を取ることができますし、介護の現場で働いたことがない(実務経験が無い)人でも資格を取る事が可能です。
そうなると「最初に初任者研修を取るより、いきなり実務者研修を取ってしまった方が良いのでは?」と考えると思います。
その答えは「その通りです」であり「そうではありません」となります。
実務者研修の講義内容は、かなり難易度が高いため、介護の資格がなく介護経験ゼロの人だと講義についていけない可能性があります。
また、多くの学校では、実務者研修のカリキュラムの中に、オムツ交換や移動・移乗などの実務の時間を設定していないので、介護スキルを全く持たない未経験者が、そのまま現場に入ることになると、やはり不都合が生じます。
ですので、まずは初任者研修を取得して2~3年の実務経験を積んでから実務者研修を受けた方が良いでしょう。
医療的ケア(演習)では、「喀痰吸引」「経管栄養」「救急蘇生」の3つの実技を学びます。
専用の人形を使って、口の中の痰を機械で吸い取るのが喀痰吸引です。
経験栄養とは、管を使って食べ物を直接胃や腸に届ける「胃瘻(いろう)」「腸瘻(ちょうろう)」のことで、実務者研修ではこれも人形を使って練習します。
救急蘇生では、人工呼吸や心臓マッサージなどの基本的スキルを身に付けます。
【取得期間目安】
実務者研修の受講時間は
- 無資格者は「450時間」
- 介護職員初任者研修又はホームヘルパー2級の人は「320時間」
- ホームヘルパー1級の人は「95時間」
- 介護職員基礎研修の人は「50時間」
となっています。
実務者研修にも通信制があり、これを活用すると受講時間は大幅に減らすことができます。
初任者研修またはホームヘルパー2級の人が通信制を利用すると
- 通信レポート
- 学校での講義45時間
- 学校での医療的ケア(演習)12時間
で、実務者研修を修了できます。
【取得費用目安】
実務者研修の料金は、初任者研修またはホームヘルパー2級を持っている人で大体「2万円~15万円」程度です。
無資格者は20万円ぐらいに設定している機関も多いので、どこが最安でできるのかを資料請求で比較してみましょう。
「介護福祉士」は資格手当が給与に大きく反映
初任者研修→実務者研修と順調に資格を取得している方は、次は介護福祉士を目指しましょう。
介護福祉士を取得すれば、スキルアップが確実に果たせるメリットだけでなく、給料アップも実現できます。
多くの介護施設では、資格によって給料に差を付けていますが、初任者研修と介護福祉士では”月額1万円以上異なる”事業所も多数あります。
介護福祉士資格の取り方は、いくつか方法がありますが、ここでは介護の現場で働きながら実務者研修を取得した人が、仕事を続けながら挑戦するケースを紹介します。
【実務者研修の取得者ルート】
介護福祉士の試験は、毎年1月下旬に開催されますが、この時までに
- 実務者研修の資格を取得している
- 実務経験が3年以上あること
が受験資格で必要になります。
初任者研修と実務者研修を管理監督するのは”都道府県”ですが、介護福祉士の試験を行ったり、資格証を発行するのは「公益財団法人社会福祉振興・試験センター」になります。
ですので、介護福祉士の試験を受けたい人は、試験センターから「介護福祉士試験の受験の手引」を取り寄せなければなりません。
その後、申込書と実務者研修の修了証明書と実務経験証明書を郵送します。
受験費用は約1万3千円です。
試験に合格すると3月下旬ごろに試験センターから、合格証書と「介護福祉士登録の手引」が届きます。
その手引に従って登録手続きを行うと、晴れて介護福祉士になることができます。
合格率60%ほどの介護福祉士の資格を確実に取得したいなら、ちゃんと受験対策をしておくことが重要です。
「ケアマネージャー」(介護支援専門員)
介護サービスの司令塔であるケアマネージャーを目指している人は多いのではないでしょうか?
ケアマネは正式名称を「介護支援専門員」と言い、介護が必要なお年寄りと介護サービス事業者をマッチングさせる仕事をします。
重要かつ難しい仕事だけに、ケアマネの資格を取るにはいくつものハードルがあります。
医師や看護師、理学療法士などもケアマネになることができるのですが、ここでは介護職として高齢者のお世話をしている人がケアマネになる方法を紹介します。
【ケアマネになるには?】
ケアマネになるための最初のハードルは
- 5年以上の介護実務経験
- 介護福祉士の資格
で、介護福祉士の資格を持っている人は、最低でも3年の実務経験があるので、それに2年をプラスすれば、ケアマネ試験(介護支援専門員実務研修受講試験)を受験資格が与えられます。
「介護支援専門員実務研修受講試験」という長い名称の「実務研修受講」という言葉がポイントです。
×実務者研修
〇実務研修
ケアマネ試験は「介護支援専門員の実務研修の受講の権利を得る」ための試験なので、つまり、ケアマネ試験に合格しただけではケアマネの資格は貰えないのです。
ケアマネ試験の受験料は約8000円と安い費用で済みますが、ケアマネ試験は合格率は20%を切る難関資格になるので、しっかりとした受験対策が重要になります。
【介護支援専門員実務研修について】
ケアマネ試験の合格者だけが進める介護支援専門員実務研修は、都道府県の社会福祉協議会が行っています。
この研修は87時間あり、内容は
- 集合研修7日間
- eラーニング
- 事業所実習
の3つです。
eラーニングとは、自宅でパソコンを使って勉強する学習方法です。
介護支援専門員実務研修を修了すると、ケアマネとしての業務をスタートできますが、しかしそれでもまだ終わりません。
介護福祉士の資格には有効期限はありませんが、ケアマネの資格は5年間の有効期限があります。
継続して働く場合、更新するための研修を再び受けなければならないルールがあるのです。
更に、ケアマネには「一般ケアマネ」と、上位資格の「主任ケアマネ」があることからも、ケアマネの仕事は「ずっと勉強し続けなければならない仕事」と言えるでしょう。
介護の仕事は資格がモノを言う業界
介護の仕事は「資格の仕事」と言われるくらい、資格がモノを言います。
いくら良い介護をしていても、資格が無ければ職場で昇格、昇給は期待できません。
ですが、言い換えれば、介護の資格を取得していけば、自ずと給料も上がりやすいのです。
受験資格や受験難易度は資格によって様々ですが、「●年後に■の資格を取る」という計画を立てれば、自ずと「資格を取る為に、今何を学んでおかなければならないか?」がハッキリ見えてきます。
この先も介護業界でやっていくと考えているなら、まずはこちらで紹介した介護の資格から取得されてみてはいかがでしょうか。