デイサービスを辞めたい介護職員の本音と検討すべきおすすめの転職先は?
デイサービスで働いたものの、低賃金や労働の大変さ、仕事のストレスに嫌気がさしてデイサービスに就職するんじゃなかったと後悔する介護士は大勢います。
実際デイサービスの給料は、他の介護の仕事と比較すると手当が少ない分だけ給料が安く、生活難から退職・転職を考える人が少なくありません。
また、給料以外にもデイサービス特有の辞めたい悩みがいくつもありますが、デイサービスで働く職員はどんなことで悩むのでしょうか?
この記事では、デイサービスを辞めた介護職員の本音と、おすすめの転職先や転職方法について記載しています。
そろそろ転職したいと本気で悩んでいるならぜひご一読ください。
デイサービスを辞めたい理由には何がある?
① 他の施設と比較して給料が安い|入所施設ではないので夜勤手当が付かない
介護職員の平均年収は「約310万円」ほど。
しかし、平均年収には『夜勤のある入所施設で働く介護職員の給与』も含まれているため、夜勤のないデイサービスの職員の平均年収は310万円よりも低いのが一般的です。
夜勤手当の相場は「5,000円程度」になりますが、月平均5回の夜勤勤務があれば、夜勤手当は『25,000円』となり、単純計算で入所施設で働く職員の給与と年間で『30万円』も差が出るのです。
賞与も、寸志程度の金額しかもらえない事業所も多く、生活していくのがやっとという職員も多く転職を検討する介護士が多いのが現実です。
② レクリエーションを毎日考える、やるのが大変
多くのデイサービスでは毎日レクリエーション活動の時間があります。
デイサービスでは、基本的に曜日ごとに利用者が違いますが、来ていただける高齢者の方を「飽きさせないように」とレクリエーションを都度考えています。
ですが、レクリエーションも毎日やっていればネタが尽きてしまうのが悩みどころ。
輪投げやボウリングなどの定番ゲームばかりだと飽きられてしまうので、職員は常に新しいレクをネットや本で探しています。
それに、何か違ったレクを思いついても、準備するのは通常業務が終わった後なので、必然的に残業することになるので変えるのも結構大変なのです。
また、ネタを考える悩みもあれば、『毎日同じレクをする』という苦行もあります。
例えば、夏祭りやクリスマス会の時期になれば、1週間同じ会を毎日行うので、これは職員にとっては苦痛です。
③ テンションを維持することに疲れてしまう
入所型の施設の場合は「利用者の日常生活を支援する」ことがメインです。
しかし、デイサービスは通常の支援に加えて『日常生活以外のサービスをお客様に提供する』というスタンスなので、朝一番から「ようこそ!」と元気いっぱいに接しなければなりません。
このテンションを毎日維持していくのは、誰でも簡単に継続できるものではないと思います。
低賃金に加えて「朝からとびきりの笑顔を装って仕事する」ことに疲れてしまうのです。
それに、一生懸命笑顔で頑張っていても、デイサービスは他にもたくさんあるので、利用者は嫌になったり、飽きてしまえば、簡単に他の事業所へ流れてしまうのも辛いところです。
④ 送迎は時間厳守|送迎へのプレッシャー&ストレス
デイサービスの仕事は送迎付きが基本です。
しかし、デイサービスの送迎は『時間厳守』が基本ルールなので、送迎に対する介護職員のプレッシャーはかなり大きいです。
朝は利用者宅へお迎えに行きますが、お迎えが来るまでの準備で別の事業所の介護ヘルパーさんが援助していることがあります。
もし、送迎の時間が遅れてしまったりすれば、介護ヘルパーさんは次の援助に行くことができないので迷惑をかけてしまいます。
その他にも、お迎えにあがる1時間以上前から玄関に座って待っている高齢者の方も多く、「〇〇さんは朝早く待ってるはずだから、早く迎えに行かなきゃ!」と運転も急がなきゃという意識が無意識に働いてしまいます。
また、送りの時間までに全ての利用者の入浴介助を終わらせ、連絡帳の記入や帰り支度も完了させておかなければならないので、その時間の配分も大変です。
このように、時間に追われながら仕事をすることにストレスを感じているデイサービス職員も多いのではないでしょうか。
運転免許なしだと、やっぱりデイサービスに就職・転職は難しい?
⑤ 生活相談員なのに介護業務がメインになっている事業所も
社会福祉士や社会福祉主事を取得し、その経験を活かすために生活相談員として就職した。
しかし、生活相談員として就職したにも関わらず、結局求人に記載されてる相談員は名前だけで、業務内容は介護職員と全く変わらなかったというケースはよくあります。
デイサービスでは提供時間数に応じて1名以上の配置が義務付けられており、資格保持者を生活相談員として登録し、実際は介護業務をさせるといったデイサービスは多いです。
小規模のデイサービスであれば、相談員としての業務は管理者が行い、毎日入浴介助などの介護業務を行っている職員もいるのが実情です。
デイサービスに向いている人はどんな人?
デイサービスに向いているのは、以下のことが得意である人が多いです。
- レクリエーションが好き
- 明るい性格で人を楽しませるのが好き
- たくさんお話しするのが好き
- サービス精神旺盛である
このような人であればデイサービスの仕事を楽しくできるでしょう。
特に接客業や営業の経験が多い人は能力を発揮しやすいでしょう。
また、入所型の施設と違って利用者と接する時間が短いので、普段の何気ない会話からその人の情報を拾う能力が求められます。
では、上記に当てはまらないデイサービスの仕事に向いていないと感じている介護職員はどうすればいいのでしょうか?
仕事が合わないと感じた時に多くの方の頭に思い浮かぶ言葉が「退職や転職」ですが、
「デイサービスに向いていない=介護職に向いていない」
ということではありません。
デイサービスの仕事が嫌だからと、介護業界から完全に足を洗ってしまう人もいますが、無資格ならまだしも介護有資格者ならば、介護の仕事を辞めるのではなく、他の介護施設への転職を検討されることをおすすめします。
理由は単純に、同業他社への転職の方が未経験の仕事に変わるよりも高確率で高待遇が望めるからです。
デイサービスからの転職|施設形態はどこがおすすめ?
介護職の仕事はデイサービスの他にもたくさんあります。
どうしてもデイサービスの仕事を辞めたいのであれば、他の施設に転職しましょう。
でも、これまでにデイサービスでの仕事しか経験のない方にとっては、どの施設に就職すれば良いのか?判断が難しいですよね。
転職を検討する時の考え方として最も大切なのは、「今の悩みを解決できる施設」に転職することです。
~薄給、人間関係の問題、仕事のストレス~
色々な悩みがあると思いますが、まずは今1番嫌だと感じていることを解消できる施設を選択しましょう。
例えば、夜勤手当がなく、給料が安いことに対して不満を抱えているなら入所型施設への転職を検討する。
入所型施設としては、有料老人ホーム、特別養護老人施設、グループホームなど、施設形態には沢山の種類があるので、自分が働きやすく、収入面でも満足できる施設への転職を検討しましょう。
① デイサービスから訪問介護事業所に転職する
✓ こんなメリットがあります
訪問介護の仕事であれば、利用者個人の家へ伺うことになるので、もちろんレクリエーションも送迎もありません。
身体介護や生活援助といった介護職の基本的な仕事だけをやりたい人にはおすすめです。
夜間勤務がある事業所もありますが、多くの施設は日勤帯だけなので、転職後も今までと変わらない生活を送ることができるメリットがあります。
また、生活介護でなく、「身体介護」の仕事を多くすれば時給もかなり高いので、デイサービスで働くよりも圧倒的に稼ぎやすいでしょう。
② デイサービスから入所型施設に転職する
✓ こんなメリットがあります
給料を増やしたい、生活相談員の仕事がしたい、レクリエーションや送迎がしんどいという人には入所型施設への転職がおすすめです。
夜勤手当が付くので、月給が2万円〜3万円増えるのは経済的に助かります。
また、利用者が日常生活を営んでいる場であるので、送迎もありませんしレクリエーションもデイサービスのように多くありません。
特別養護老人ホームや介護支援専門員と生活相談員生活相談員が毎日介護職ばかりやらされることはほとんどありません。
③ リハビリ特化型のデイサービスに転職する
✓ こんなメリットがあります
デイサービスの仕事は嫌いではないけど、レクリエーションが辛いといった場合、従来型のデイサービスではなく「リハビリ特化型のデイサービス」に転職するのもおすすめです。
リハビリ特化のデイサービスの仕事は「機能訓練」などがメインです。
利用者の中には、「レクリエーションが嫌でデイサービスは行きたくない。でも、運動して健康維持ができるのであれば利用したい」と思っている人も多く、リハビリ特化のデイでは、レクリーションはほとんどありません。
午前と午後の2部制を採用している事業所も多く、食事介助や入浴介助もない事業所が多いのが特徴です。
辞めたいと思うのは合ってないから|働きやすいと思える施設を探そう
今のあなたがデイサービスを辞めたいと思うのは、仕事内容が合ってなかったり、人間関係に恵まれていないからが大きいと思います。
デイサービスの仕事を始めてみたけど、やっぱりこの仕事は自分に合ってなかったという事に早めに気づけたなら、それはある意味良かったんじゃないでしょうか?
「辞める=マイナス」ではありません。
プラスになる退職・転職もたくさんあります。
介護施設というのは高齢者の需要の数だけ施設形態があるので、もっと自分が働きやすいと感じるところに転職をした方が、ストレスもない人生を送ることができます。
しかし、納得できる転職先を見つけるには、施設情報や仕事内容・待遇面をしっかり確認しておく必要があります。
そのためにも、ハローワークだけに頼るのではなく、業界に詳しい転職サービスを活用することが大切です。