足が痛い介護職のリアルな声と足の疲れの取り方
介護職の職業病といえば、真っ先に思い浮かべるのは腰痛ではないでしょうか?
新聞やネットでも、介護職の腰痛予防は沢山紹介されていますからね。
ですが、介護職を悩ませる職業病は腰痛だけではなく、膝や足関節などの足の痛みも非常に深刻です。
介護は立ちっぱなしの仕事なので足が痛むのは当然。
若い人でもなりやすい腰痛とは異なり、足の痛みを訴える人は、特に中高年に多く見受けられます。
ですが、足の痛みを訴えると「○○さん、それ年齢(とし)のせいじゃない?(笑)」と指摘されるケースも多く、口に出さない介護職も多いので、腰痛ほど認知されていません。
ここでは、介護の仕事に従事する人の職業病の1つである「足の痛み」(膝、脚、足の裏、かかと、ふくらはぎ等)を訴える介護職のリアルな声や、筋肉痛以外で考えられる痛みの原因、おすすめのフットケアのやり方についてご紹介させていただきます。
「足が痛い…」と嘆く介護職の声
足が痛む原因や症状について
筋肉痛以外で考えられる足が痛む原因についてご紹介します。
偏平足
偏平足の人は、ご存じの通り、足の裏の土踏まずの凹みが小さい状態にあります。
偏平足が足の痛みの直接的な原因となるのはそこまでありませんが、偏平足が足の痛みの原因の更に原因になっていることもあるので、介護の仕事とも無関係ではありません。
この足の裏の凹みは、地面を踏んだ時に受けるショックを吸収する機能がありますが、偏平足の人の場合は、その衝撃をもろに受けてしまうことになります。
土踏まずの凹みで吸収されない衝撃は、足の裏全体に伝わり、足首→脛(すね)→膝→太腿(ふともも)へと流れて足を痛めてしまうのです。
外反母趾
外反母趾は状態によっては、それ自体が痛みを発しますが、介護の現場では、この状態でも施設内を歩き回ったり、自分以上の体重がある高齢者を持ち上げたりしなければなりません。
このように酷使する状態が続けば、外反母趾による痛みが増幅されるばかりか、歩き方や走り方がいびつになり、それが原因で足の別の場所に痛みを生じさせます。
外反母趾は足の親指の骨の変形なので、自然に治ることは期待できず、整形外科での治療が必要になるので、酷い外反母趾の人は慢性的な足の痛みに悩んでいる人も少なくないのです。
足の関節痛
手の関節は、意図的に重い物を持たない限り、痛めつけられることはありません。
しかし、足の関節は、ただ立っているだけでも、その間ずっと痛めつけられていることを知っていますか?
立っている状態というのは、足の関節にとっては、体幹と頭と腕の重みによって押し潰されている状態になるので、これに「歩く」「走る」「踏ん張る」「ジャンプする」という行動が加われば、少しでも違和感を感じている人なら、足の関節は悲鳴をあげます。
「歩く」「走る」「踏ん張る」「ジャンプする」というのは、いずれも介護の現場で必ず必要になる動きなので、介護の仕事自体が、足の関節をいじめているようなものなのです。
肉離れ
仕事中にふくらはぎの肉離れを起こす介護職は少なくありません。
入念に準備運動をしている一流のアスリートですら肉離れを起こします。
それなのに、仕事を始める前にストレッチや柔軟体操をする介護職は果たして何人いるでしょうか?
私の知る限り、始業前に入念に柔軟体操を行う介護スタッフは、限りなくゼロに近いでしょう。。
30歳を過ぎた介護職員は、決して過信せず、謙虚な気持ちで準備体操を行うことが大切です。
糖尿病
足の痺れがあるなら糖尿病の可能性も疑うべき。
糖尿病の終着駅は、腎不全、失明、最悪のケースでは足の切断です。
糖尿病というのは血管を壊す病気で、足の血管は壊れやすいところでもあります。
最悪の事態にならないように、糖尿病の疑いがある方は、病気の改善、又は現状維持を目指してください。
幸い、介護の仕事というのは、運動の要素があるので、実は糖尿病患者の仕事には向いているとも言えます。
しかし、それはあくまで軽度の糖尿病の場合に限られます。
重い糖尿病患者にとっては、介護の仕事というのは、足の痛みを悪化させる過剰な運動になっているケースも多く、害になりかねません。
痛風
中高年の男性介護職には、痛風の人もいらっしゃるでしょう。
発症したばかりの人は、薬で痛みをコントロールするコツが分かっていないので、症状が悪化すると仕事どころではなくなってしまいます。
痛風は食生活などの生活習慣の乱れから起きている場合が多いので、規則正しい生活習慣や食事に気をつけなければなりません。
中高年の介護職におすすめのフットケアは?
足が痛い中高年の介護職に特におすすめしたいのは、血流を意識したフットケアです。
これは、今、足が痛くない人でも、ぜひ取り入れてみてください。
脚のマッサージは、ただ揉むだけでは効果は十分ではありません。
足の血流を良くするのをイメージしながらマッサージするのがポイントになります。
マッサージのやり方は、足の甲や足首、ふくらはぎに滞留している血液を、太ももより上に持ち上げるように、下から上へと揉んでいってください。
マッサージは半身浴をしながら行うことをおすすめします。
ただ、1日2~3分くらいのケアでは、効果を体感するのは難しいので、時間に余裕がある日は湯船に浸かりながら20分くらいは行うと良いでしょう。
また、毎日1日10分コツコツやるより、1日置きに20分間行う方が効果的です。
フットケアのやり方で重要なポイントは、
足の指
↓
土踏まず
↓
足首
↓
ふくらはぎ
↓
膝
↓
太腿
の順に「下から上へ」順にやるのが足の疲れを取るポイントです。
また、はり、きゅう、整骨院、接骨院、整体、マッサージなどに通って体のメンテナンスを行っているスタッフも非常に多いです。
ただ、自費診療のところに通う場合は、週1回だけでもそれなりの金額がかかってしまいますし、保険診療が適用されるところならお金はそんなにかかりませんが、やってもらったすぐは改善したような気がしても、良くなったという噂はほとんど聞きません。
介護は全身が疲れる仕事です。
「最近足が痛むなぁ」と感じたら、1カ月くらいは足のケアに集中して取り組み、日々の痛みから解放されるようにメンテナンスしていきましょう。