介護は20年にも満たない「未熟産業」それが介護業界の実態 | 介護職辞めたい人のお悩み相談室

介護は20年にも満たない「未熟産業」それが介護業界の実態

680620介護業界は未熟産業です。

介護業界に従事している方は、今の環境に必ずしも満足しているとは言えません。

未成熟というのを表す指標を示す1つとして”離職率”があります。

最近では、介護を取り巻く環境も整いつつあるので、介護も年々離職率も下降傾向にありますが、まだまだ過去の悪いイメージは払拭できてはいません。

実際、介護の仕事に興味はあって、資格も取得しているけど、様々な理由から介護業界に従事していない「潜在介護福祉士(※介護福祉士の資格を持っていても、介護の仕事に従事していない介護福祉士資格保有者)」は非常に多く、なんと50万人以上もいるのです。

介護福祉士の資格取得者は約120万人近くいますが、実際に介護職に従事されているのは50万人程で、残りの6割近くの人は介護業界に従事していない実情があるのです。

ここでは、介護業界の市場規模や急成長してきたことによる業界自体の未熟さ等、介護業界の実態について触れているので、今働いている介護施設の環境に不満があるなら、ぜひ目を通してみて下さい。

介護業界は9.4兆円の巨大マーケット

厚生労働省によると、2013年度の介護給付費は9.4兆円でした。
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厚生労働省が発表しているデータによると、介護業界は2013年度で、既に「9.4兆円の市場」に成長しています。

介護保険制度が始った2000年では3.6兆円の市場だったのが、10年ちょっとで約3倍までの規模に成長性ているのです。

しかも、2025年度には21兆円の市場になるというシナリオが予測されており、今後数十年先まで成長が見込まれる産業です。

介護業界というのは、65歳以上の高齢者の数から見てもかなりの巨大マーケットという事が分かりますし、これほど大きな産業はとても珍しいと言えます。

介護業界は20年にも満たない「未熟産業」これが意味する事とは?

未熟な経営者や管理職

介護業界は、年々成長している産業になりますが、介護保険制度は2000年にスタートしたばかりです。

ですから、介護保険スタートと同時に新規参入した介護事業所でも、社長も管理職も、最も長いキャリアの持ち主で20年にも満たないのです。

他の業界でキャリア20年といえば、係長から課長代理になっているかどうかです。

ところが介護業界では、7~8年の経験しかない施設長もごろごろいますし、管理職経験が1~2年程度の人材も多数いるのが実情です。

もっと言うと、介護に関して全く知識のない人間が経営側に回っている場合も十分あります。

介護はビッグマーケットなので、ビジネスとして参入してくる事業者も多いのす。

介護業界における、いびつな構図

つまり介護業界は「未熟な経営者」や「未熟な管理職」が、「もっと未熟な介護職に仕事を教える」という、いびつな構図にあるのです。

ですから、職員教育がとても下手な介護事業所というのも珍しくありません。

というより、職員教育の必要性すら認識していない介護施設も多数あるくらいです。

そんな施設では、上に立つ人間がスタッフを指導し、全員が同じ方向を向いて仕事に専念できる環境作りができないので、人間関係が上手くいく訳がありません。

実際、介護スタッフの間では、ワガママが野放し状態となり、スタッフ同士のエゴとエゴのぶつかり合いが生じています。

管理する立場にある人間が職員をまとめられず、スタッフ同士の意見がぶつかり合い、介護現場の人間関係が上手くいかずに退職していく人が多いのです。

離職率の高い介護施設の特徴

ビジネスに急変した介護。その裏側で儲かる経営者と貧困労働者

625107介護保険制度の導入で、それまでの「福祉という優しさと施しの世界」から、→「サービス提供と、対価の支払いというビジネスの世界」へと急変しました。

最近では「介護成金」という言葉も耳にするくらい、介護事業所の社長がベンツやBMWなどの高級車を乗り回したり、豪邸を建てたりすることもあります。(もちろん全ての経営者が儲かっている訳ではありませんが。。)

私の家の近所にも、老人ホームを経営している方の豪邸があるくらいなので、儲かっている介護事業者がいるというのは、とても身近な話だと思います。

「仕事で得た対価で好きなものを買って何が悪い!?」と思われる人もいるかもしれませんが、月収手取りで15万円にも満たなくて「給料が少ない…」と、嘆いている介護職も少なくないので、経営者が豪遊しているのをスルーできるのは、介護業界に従事していない方か、もしくは経営サイドの人間だけでしょう。

対して何もできないのに、口だけは出してくる。

現場の事を考えない、金にまみれた社長が運営する、介護施設のスタッフの心が荒廃しない訳がないのです。

介護職員を使い捨てにする施設の特徴

成長過程の未熟な介護業界の中で、ちゃんとした介護事業者のもとで働くには?

677296教育環境もままならない状態の介護施設では、経験者ならまだしも、新人は特に長続きしません。

給与、休日、残業、夜勤、仕事内容、介護方針など、ちゃんとしたところで働きたいと考えているなら、小さな介護議場所よりも、グループに病院を持つ「医療法人」や「設立10年以上の社会福祉法人」が経営する介護施設に就職・転職するのがおすすめです。

また、介護サービスで上場している企業への転職を考えるのもおすすめです。

上場している企業の方が、平均年収は高い傾向にありますし、コンプライアンスも守られている企業が多いので、働きやすい環境が整っているケースが多いです。

ですが、規模の小さい介護事業者や新規設立の事業者になると、職員教育のノウハウも持っていないことも多いですし、経営面でも不安な面があります。

経営面が悪ければ、必然的に私たちの給与に反映されてくることになるので、

もし、今の施設に不満があるなら、経営が安定している医療法人、社会福祉法人、介護サービス上場企業への転職を考えてみてはいかがでしょうか?

未成熟な介護業界で働くには、様々な面で安定した介護事業者選びが大切です。

【比較】医療法人と社会福祉法人

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